
●1975年 熊本生まれ ●3歳から母である書家・武田双葉に師事 ●2001年 書道家として独立
・上海美術館より「龍華翠褒章」受賞 ・伊勢神宮にて献書 ・NHK大河ドラマ「天地人」題字など作歴多数
・「世界で一番受けたい授業」「徹子の部屋」などTV出演も多数
「ニッポンの時計が、おもしろくなる」をコンセプトに展開する シチズン「REAL SCALE」。
この“REAL SCALE”の題字を書いていただいているのが、書道家・武田双雲氏。
そして今回、『カンパノラ』をベースに双雲氏の書とのコラボレーションモデルを実現させ、限定100本を発売。
そこで、「カンパノラ」のデザイン担当であり、且つ今回のコラボモデルのデザイナーである井上英樹氏との座談会を設け、このモデルを作り上げるまでのこだわりや商品に対する思い、デザイナーとして又アーテイストとして双方が考える「ものづくり」などについて語ってもらった。
最初に、双雲氏とカンパノラの出逢いはどんなものでしたか?
- 井上
- “REAL SCALE”の題字を書かせてもらったのがきっかけでした。失礼な話ですが、それまで時計というものを買ったことなかったんですよ。でもそのときにカンパノラを初めて着けさせていただいて、すっごくかっこよかった!
時計に合わせて靴も買っちゃったくらい。たぶんこの歳で、時計をはめて、僕ほど感動している人はいないと思うんですよ。なにせ時計に対して、経験値が"無"でしたからね(笑)
- 井上
- 最初にお話させていただいたときはどんな風に思ったんですか?
- 双雲
- “時”というものを扱っているシチズンという会社に、とても興味がわきましたね。そもそも時間が過去から未来に流れているという考え方は、人間が勝手につくりだした視点じゃないかと。僕には、今という瞬間に未来から時間がどんどん降ってきているような感覚があったんですよ。過去から未来へ流れているというのがどうしても理解できなかった。僕はその日暮らしタイプなので、明日という感覚もないし、逆に今が大切という感覚すらなかったんです。
- 井上
- それは時計を作る側の人間にとっても刺激的な話ですね。
カンパノラのデザイン担当として、カンパノラに託した思いは?
- 井上
- カンパノラというブランドの知名度が低かったので、このブランドを多くの人に知ってもらいたかったんです。“REAL SCALE”の題字を書いていただいた時、双雲さんの「書」にメッセージ性を強く感じました。その発信力をお借りしてコラボレーションできたらと思ったんです。
コラボレートの話は、率直にどう思いましたか?
- 双雲
- 時計ってなぜ着けるんだろう? というところから考えてみました。まずは時間を知るということ、そして次はファッション性で着ける人がほとんど。多くは、ここで止まっていると思うんです。じゃあ、僕が参加したからには、4次元くらいまで理由を増やしたいと思ったんです。
- 井上
- どういう時計にしたいか、イメージを共有するため打ち合わせを何度もしましたが、双雲さんは僕たちデザイナーが思いつくこととはまったく違う哲学を与えてくれるので新鮮でしたよ。まさに2次元から4次元くらいまで、一気にステージアップさせてくれたんです。
その新しい次元とは?
- 双雲
- 「感性スイッチ」というドラえもんの道具みたいなものがあればいいなと、考えついたんです。シャキーンと装着すると、いろいろな世の中の感動に気がつけるスイッチ、感謝できるスイッチみたいな。それに時計は最適だと。毎日着けるものだし、その時計を装着したときくらいは、感性スイッチが入って、感動に気がつけるようになって、無限の恵みが見えてくる。シチズンの皆さんと話しているうちに、そんなアイデアが浮かんだんです。
- 井上
- 僕たちだけでは、この発想は浮かびませんね。そんな役割の時計、考えたことありませんでしたよ。
- 双雲
- 僕たち現代人は、すぐ不快なところに目がイキがち。例えば、電車に乗ると、混んでいる、車内が暑い、車掌の態度が冷たいとか、悪いところばかりどんどん入ってくる。でも、つり革を掃除する人の気持ちとか、自動ドアの安全性を考えた人の思いやりとかは、全然見えないじゃないですか。僕たちは、世の中、何も見ていないんですよ。魔法のように便利な天国に住んでいるのに、不満ばかりを募らせていると思うんです。
我々が日頃忘れている大切なことを「感」に込められたわけですね。
- 双雲
- いろいろな文字が思い浮かんだんですけど、今回は、ダントツでコレでしたね。「感」は画数が多いので、もっと少ないほうがデザインしやすそうだと思ったんですけど、まぁ井上さんならやってくれるかなと(笑)
「感」という文字をどのように表現したかったのですか?
- 双雲
- 力強さにもいろいろ濃淡があるんですけど、柔らかな力強さ。瞬間的なパンじゃなくて、ふわーっという力強さを意識しましたね。もっと細身の「感」や太い「感」、読めない「感」もありましたが、いま自分が表現したい「感」はどれかと、とても楽しめましたよ。
「感」のデザインのポイントは?

CAMPANOLA(カンパノラ)
書道家“武田双雲”コラボレーションモデル
数量限定100個 ※シリアルナンバー入り
武田双雲氏直筆サインカード付き
CTU57-1261 ¥630,000 (本体¥600,000)
- 井上
- たくさんのパターンを描きましたね。「感」という文字をより主張しているデザインもありましたが結局、控えめにしました。先ほどの双雲さんのお話のとおり、見た目のデザインやわかりやすさだけに捕われるのではなく、「感」という思いを感じて欲しいと思ったんです。
- 双雲
- パッと見は「感」は目立たないんですけど、光の加減でたまに浮かび上がってくるさりげなさがいいですね。こちらからあまり主張しちゃうと、受動的になってしまうので、こちらから感じに行く、くらいの感性になって欲しいんです。


















































